【短評】『あしやのきゅうしょく』全編ほぼ芦屋ロケ

Ⓒ2022「あしやのきゅうしょく」製作委員会

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2月4日関西で先行上映。【公式サイト
兵庫県芦屋市、市制施行80周年を記念して企画され、芦屋市の給食をテーマにした人間ドラマ。学校ごとに専任の栄養士を配属し、オリジナル献立の給食を提供する、芦屋市の取り組みを基に、新人栄養士の奮闘を描く。監督を務めるのは、白羽弥仁松田るかが主演する他、石田卓也仁科貴宮地真緒藤本泉栗田倫太郎小笠原拓己らが共演する。(敬称略)

あらすじ

ーーー。新任栄養⼠の野々村菜々は、退任するベテラン栄養⼠の⽴⼭から給⾷のイロハを引き継ぐ。新学期が始まり、⼦どもたちからの反応は“美味しかった”から“味が変わった・落ちた・・・”など芳しくない。ショックを受ける菜々を他の栄養⼠や調理⼠達から「よくある事で⼦ども達の気のせいだ・・・」と慰められるも、何とか⼦どもたちに喜んでもらいたいと、直接⼦ども達に給⾷の感想を聞いてみる。そして菜々は、例え⼦どもの苦⼿な⾷材があっても、素材の味を⽣かした、それぞれに合ったメニューを⼼がけなければ、と決意する。果たして菜々は、⼦どもたちに受け⼊れてもらえる給⾷を作ることができるのだろうか……。

短評

『仮面ライダーエグゼイド』『ゴクドルズ』『賭ケグルイ』で奇抜なキャラを演じてきた松田るかさんが、本作では穏健な主人公の新米栄養士である野々村菜々を演じる。

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芦屋の給食といえば、隣接市住まいの私ですら存じ上げているほど、給食への取り組みが有名である。各校に栄養士1名を配置し、「自校調理方式」で“作りたて”を提供というのを徹底している。本作では、新米栄養士目線で物語が進んでいくのだが、ヒューマンドラマ的な側面も強く、単純な食育教材に止まらず、映画としての演出が疎かにはなっていなかったのが好印象。中でも意外だったのが、教室での生徒たちの多様性をも描いた点。社会で議論される問題も踏まえて、改めて食を通した文化への理解・共存を描いたのは素晴らしい。

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普段では見ることができないような学校給食の裏側も非常に興味をそそられる部分で、給食がオムライスの日には、一枚一枚フライパンで卵を焼いていたのが衝撃だった。大人数の食事を数名で用意するということが、いかに重労働であるかが映像からうかがえる。


シークエンスの切り替わりには、子供たちによる「今日の献立」発表シーンが挿入されており、これはかなりいいアイデア。
当時の給食での思い出を振り返りながら食の大切さを再認識し、観終わったあとは、日々の生活や過去の給食を作ってくださった人へ感謝したくなる心温まる作品だった。

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関西で先行上映

『あしやのきゅうしょく』は、3月4日より全国で上映だが、関西では現在(2月9日時点)【テアトル梅田】【OSシネマズミント神戸】【アップリンク京都】で先行上映中
なお、公式サイトでは本編に登場した給食のレシピも一部公開中。

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この記事を書いた人

関西を中心に映画観てます。
映画ブログのような存在を目指して細々と運営しようかなと思ってましたが、語彙力のなさと映画観る時間を優先したくて更新のめんどくささに挫折。
気分が向いた時に猿でもわかる内容をモットーに投稿してます

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